都市のピクニックスポット:太陽の下で過ごす

▲臺北にある數多くのピクニックスポットに出かけ、美味しい食事で心身をリラックスさせましょう。(寫真・Brown Chen)

Rick Charette

編集

下山敬之

寫真

Brown Chen、Tzuying Sun、臺北市観光伝播局

春の日差しが臺灣を包み込む季節が訪れました。臺北では鳥のさえずりや優雅に舞う蝶の姿、暖かな風に揺れる草花が道行く人を楽しませてくれます。正にピクニックに最適な季節と言えるでしょう。

今號では、「春の陽明山と綠の愈やし」という記事で、臺北北部の陽明山で體験できるアクティビティやスポットについて觸れています。ここでは臺北の都市部にいながら喧騒を避け、綠と靜寂のオアシスで心身を休められるピクニックに最適な公園を紹介していきます。

▲ピクニックは食事を楽しむだけでなく、家族と素晴らしい時間が過ごせます。(寫真・Brown Chen)

臺北は過去數十年の間に美しく変化を遂げました。臺北市政府は、臺北を世界的の都市の中でも最も住みやすい場所にするべく努力を続けており、街の急速な変化がその成果を物語っています。臺北は「住みやすい都市」と「持続可能な都市」に関する數多くのプロジェクトに取り組んでおり、中でも重要な要素として綠地の創出があります。

▲ピクニックは食事を楽しむだけでなく、家族と素晴らしい時間が過ごせます。(寫真・Brown Chen)

都市の中心にある綠の隠れ家

もともと臺北は綠地が多くありませんでしたが、今では自然を愛する人たちの街へと変化しました。その最たる例が基隆、淡水、新店、景美に沿って作られた川沿いの公園で、臺北の市街地ほぼ全域を囲むように遊歩道が設置されています。ここにはすべての公園を通るサイクリングロードがあり、シェアサイクルのYouBikeも気軽に利用できます。この他にも臺北の中心には、「中央公園」とも呼ばれている1994年に開園した大安森林公園があり、綠豊かな広々とした綠地が都會の喧騒を忘れさせてくれます。

柔らかな芝生、青々とした木々、そびえ立つ山々の景色を楽しむことは、心身に素晴らしい愈やしの効果をもたらします。臺北にある公園はいずれもこの三拍子が揃っています。

ここ10年で、臺北市民のピクニックに対する熱は大きな高まりを見せていて、TLCピクニック・デーやVogue臺灣ピクニック・デーといった大規模のイベントが開かれています。また、公園での音楽パフォーマンスやクリエティブマーケットなどを開くことで人々がより長く綠地で過ごせる機會も作っています。こうしたイベントはフェスティバルや博覧會と合わせて開催されます。ここからは、実際にピクニックにおすすめな4つの公園を紹介していきます。

大安森林公園

▲大安森林公園の柔らかい芝生で友達と一緒に座ることは、最高の週末の楽しみです。(寫真・臺北市観光伝播局)

臺北中南部にあるこの公園は市內でも最も大きく、臺北MRTを利用すれば公園の北側にある大安森林公園駅へ直接アクセスできます。MRTの駅は臺北唯一のサンクンガーテン型で、公園周辺にはYouBikeのレンタルステーションもあります。

ピクニックを楽しむ人たちにとって、この公園の最大の魅力は種類豊富な樹木と美しい野鳥です。週末や祝日の午後は、ピクニックをする人たちで大きく賑わいます。特に家族連れが集まるのは、公園の東北部にある最大規模の芝生エリアで、隣には子供用の遊具も設置されています。

「大安森林公園」という名前が示す通り、1994年の開園以來、ここには本物の森と広大な芝生が広がっています。公園の反対側が見えないほど鬱蒼と茂る木々や低木、花々は都市に新鮮な空気を送っており、親しみを込めて「臺北の肺」とも呼ばれています。

春のピクニックでは満開のツツジやアジサイを楽しむことができます。木陰を形成する立派な木々の中にはガジュマル、キサントフィルム・ハイナネンセ、クスノキ、タイワンフウ(臺灣楓)などがあります。また、この公園では臺北市政府が主催し3月いっぱい開催される「臺北ツツジまつり」、3月16日に開催される「臺北フラワーピクニック」、この他にも數多くのイベントが開かれます。

ピクニックを楽しんだ後に體を動かしたい人は、公園の北部エリアへ足を運びましょう。バスケットコートやローラースケート場などの施設、滑り臺や砂場など子供用の遊び場、週末や祝日に音楽パフォーマンスなどが開催される野外ステージなど様々なレクリエーションが楽しめます。

▲大安森林公園には多様性に富んだ生物がおり、生態池は鳥たちの生息地となっています。(寫真・Brown Chen)

樹木が茂り、2つの人工島がある生態池では鳥たちが羽を休めたり、巣を作ったりしています。生息しているのは、タイワンゴシキドリ、ゴイサギ、アオサギ、トキ、バン、シラサギなどで、寫真好きな人たちが撮影している姿も見かけます。

花博公園新生園區

花博公園新生園區は市の北部中央、基隆川の南にあり、MRT圓山駅は西へ2ブロック、中山小學校駅は南へ3ブロックの位置にあります。公園の周辺にはYouBikeのレンタルステーションが數多くあり、花博公園內にある圓山園區、美術園區はいずれもピクニックに最適のスポットです。

ここでピクニックをする際の最大の魅力は花です。パステルカラーのバラが一面に咲き亂れ、偉大な畫家のパレットのような風景を作り出します。もう一つの見どころとしては、公園の東側にある松山空港に飛行機が着陸する様子が間近で見られることです。

▲臺北バラ園は新生園區內の人気スポットの一つで、ピクニックに優雅な雰囲気を添えてくれます。(寫真・Brown Chen)

花博公園新生園區には、臺北バラ園、臺北典蔵植物園、迷宮花園など様々なスポットがあります。バラ園は臺北北部で最も多様性に富んだ庭園で、800種類以上、5000株を超える世界各地のバラが楽しめるほか、毎年3月には春の臺北バラ展も開催されています。この期間中は週末になると多くの人で賑わうマーケットが開かれ、バラのオイルやジャム、花や鉢植えなど貴重な商品が販売されます。

▲新生園區內には低木で構成された迷宮花園があり、飛行機が飛び去る様子を間近で見られます。(寫真・Brown Chen)

ピクニックをする人がよく集まるのは、八角形をした迷宮花園の芝生エリアです。西側には臺北バラ園、東側には子供用の遊び場があります。園內には野球場、バスケットコート、屋內プールなどのレクリエーション施設があり、大安森林公園と同じように週末や祝日の午後が最も賑わいます。

大佳河浜公園 & 美堤河浜公園

どちらの公園も基隆河沿いにあり、大佳公園は新生公園のすぐ北にある基隆河南岸、美堤公園はMRT大直駅から3ブロック東に進んだ基隆河の北岸にあります。各公園の正面入口には「臺北市河浜レンタサイクルセンター」があり、自転車を借りることができます。

臺北市北部の川沿いにあるこの2つの公園は、広大な景色を楽しみながらピクニックができ、それぞれの公園からは川沿いに広がる公園の綠地や美しい山々が眺められます。特に大佳公園からの圓山大飯店、美堤公園からの臺北101ビルや信義區に並ぶ高層ビルは絕景です。また、東西に長く広がるこれらの公園は特に日の出、日の入りの景色が壯観で、ピクニックをする人たちにも人気の時間帯となります。とはいえ、こちらも最も混み合うのは週末や祝日の午後です。

▲臺北の川沿いにあるサイクリングロードは基隆河に沿って伸び、川沿いの公園と広大な景観を繋いでいます。(寫真・Brown Chen)

どちらの公園も川沿いのサイクリングロードだけでなく、スポーツを楽しめる施設が充実しています。大佳公園にはバスケットコート、テニスコート、バドミントンコート、クロッケーコートのほか、子供向けの遊び場として滑り臺やクライミング設備、砂場などがあります。美堤公園にはバレーコート、バスケットコート、テニスコート、スケートパークだけでなく、屋外のラジコンサーキットまで揃っています。

▲お子さんと一緒に公園へピクニックに出かけ、川沿いの新鮮な空気を楽しみましょう。(寫真・Brown Chen)

大佳公園で最も人気のあるピクニックエリアは、川辺にある「希望噴泉」という巨大な噴水の近くで、高さ75 mに及ぶ水の柱が打ち上がります。噴水は季節によっても変わりますが、午前10時から暗くなるまで1〜2時間間隔で15分のショーが行われます。このショーでは噴水で花びらの形を作り、萬華鏡を模した80色の照明が水柱を照らすことで一つの巨大な花を作り出します。美堤公園のピクニックエリアは美しい灣の西側、子供用の遊び場の近くです。ここは多くの鳥が休息に訪れる場所で、秋には渡り鳥が見られます。

▲ピクニックの最後は大佳河浜公園の河川敷から夕日を観賞しましょう。(寫真・Brown Chen)

この2個所の公園は前述した公園と同じく大規模なフェスティバルやイベントの會場としても人気です。大佳公園は毎年開催される臺北國際ドラゴンボート大會のメイン會場であり、美堤公園はかつて3年連続でTLCピクニック・デーが開かれた場所でもあります。

ピクニックを最大限に楽しむ

週末や祝日に臺北市內の公園を散策すると、家族や友人たちとのんびりピクニックを楽しむのが人気のアクティビティであることに気づくでしょう。一人のピクニックも自由があって良いですが、臺北の人たちは周りの人と親しくするのが好きで、近所の人たちとも積極的に交流を持ちます。特に子ども連れやペットを連れている場合はより親しくなりやすいです。

▲ピクニックはペットと過ごす素敵な時間にもなります。(寫真・Brown Chen)

また、美味しい料理やお酒を飲んだり、カードやボードゲームを持參して餘暇を過ごします。初めてあった人と距離を縮める際に最適な遊びはフリスビーや凧揚げです。自らの殼を破れば周囲の子どもが気づいて近づいてくるでしょう。愛犬を連れた人は、自分が動かなくて良いので愛犬とフリスビーをやってしまいがちです。

▲シンプルなボードゲームは、家族や友人とのピクニックに楽しみを添えてくれます。(寫真・Brown Chen)

最近では、ピクニック以外にも「都市型デイキャンプ」が流行っています。小型テントを設置することで日差しを遮れるので、晝寢や子どものおむつ交換などができます。

▲ピ返し使える容器を使用することで、地球に優しいだけでなく、映える寫真も撮れます。(寫真・Brown Chen)

臺北市政府は責任あるピクニックを推進するため、「無痕山林(Leave No Trace)」というコンセプトを打ち出しています。これは自然を尊重する究極の環境倫理で、具體的には人が環境に與える影響を減らし、持続可能な発展を目指すというものです。臺北の綠地の魅力を楽しみながら、その自然の美しさを後世に殘す努力をしていきましょう。